大須賀 達哉 / 誤認しない開閉マークの研究

<要旨>
本研究では、エレベータの開閉ボタンが分かりにくいのではないかという予想から、世間一般でどう思われているのかアンケート調査を実施し、改善点を模索した。アンケートの結果、調査対象者の90%が誤認した経験を持っていることが分かった。また他の設問の回答から、誤認の原因として、第一にボタンを押す人間が二重課題的状態に陥っている、 第二に開閉双方のデザインが酷似している、第三に開閉ボタンのピクトグラムがそもそも作り出せない、とい う三つの仮説を立てた。本研究ではそれらの解決方法として直感的マークという概念を提案した。直感的マークとは直感で意味を悟るようなマークであり、その直感的な意味の伝達が可能かどうか、マークを実際に制作して実験を行った。実験はタブレット端末に表示したボタンを実際に押してもらう形で行われ、その結果、直感的マークの実現は成功していない可能性が高い結果となった。しかし被験者の26%は、既存の開閉ピクトグラムよりも素早く開閉識別に成功しており、それらは成功していた可能性がある。以上より、直感的マークを実現したと言うことはできないが、その概念の提案を以て視覚的情報伝達手段のあり方に少しでも寄与できたと思いたい。

●論文「誤認しない開閉マークの研究 - 直感的マークの提案 -」のダウンロードはこちら(osuga_2016.pdf)から

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