大場 晴己 / イラストレーションを用いたシャドーボックスの制作
私は幼少の頃から絵を描いており、今もなお日常的に絵を描き続けている。大学生活ではイラストレーションを用いて多くの制作を行ってきた。その中で、イラストレーションを立体化し3次元へと昇華させるとどうなるのか、という疑問が生まれた。平面であるはずのものを立体化させることで、受け手に対して不思議さや面白さといった付加価値を与えることが出来ると考えられる。本研修では平面イラストレーションを立体化することで驚嘆や感心を受け手に感じてもらうことを目的としている。
作品を制作するにあたり、組作品として制作することを前提にして、テーマやモチーフを模索していく中で、ストーリーが感じられて且つ多くの人が作品に没入しやすいものを考えたとき、童話が適していると気づいた。そこで様々な童話を探る中で、『不思議の国のアリス』の狂った世界観と遊び心に溢れた物語性に触れた。この奇妙で面白い世界観と、立体感への驚嘆を表現したいと強く感じ、『不思議の国のアリス』をモチーフに『シャドーボックス』という立体作品の制作を行うこととした。